ナノ構造ポリマー研究協会では2020年度よりnano webinarを企画し、オンライン配信による講演会を実施しています。今年度もその企画を継続し、年3回の開催を行う予定にしております。
今年度2回目の第19回nano webinarでは、自動車産業の材料開発で御活躍されていらっしゃるお二人の講師をお招きし、カーボンニュートラル社会の実現に向けて自動車産業で取り組まれているセルロース/樹脂複合材料開発における「過去そして未来」について 御講演いただきます。多くの会員の皆さまの参加をお待ちしております。
日時:2024年11月19日(火) 13:00-15:10
方法:webを使用したオンライン(Zoom)
プログラム:
13:00-13:10
挨拶:ナノ構造ポリマー研究協会代表理事 加納義久
13:10-14:10 座長 臼杵有光 ナノ構造ポリマー研究協会副代表理事
講師:西村拓也氏(静岡大学農学部ふじのくにCNF寄附講座 特任教授)
演題: 「木質材料と自動車」
【要旨】カーボンニュートラルな社会の実現に向けて様々な取り組みが自動車工業でも急ピッチに行われている。そうした中で、私は材料としての“木”に注目している。木は光合成により二酸化炭素を吸収する。木を自動車部品として活用することで、二酸化炭素を貯蔵することができる。なにより、木は育てることができる。そこで、私が進めている自動車用途に向けた木質材料の開発について紹介する。
【職歴】木質材料で自動車を作りたいと、2001年からアラコ株式会社、2004年からトヨタ車体株式会社に所属。一貫して材料の開発に従事。木材、ケナフ、ポリ乳酸といった素材を用いた材料開発を行い、多数自動車部品へ採用されている。最近では、セルロースナノファイバーを用いた材料開発も行っている。昨年6月より静岡大学農学部ふじのくに寄附講座にて特任教授を兼務している。
14:10-15:10 座長 青木憲治 静岡大学グローバル共創科学部
講師:鬼頭雅征氏(トヨタ紡織株式会社 材料技術開発部 CN・CE材料技術開発室)
演題: 「トヨタ紡織が描くサステナブル社会への貢献を目指した植物由来材料開発
〜 過去 そして 未来 〜」
【要旨】トヨタ紡織はサステナブルな社会の実現を目指し、2000年初頭に植物材料としてケナフ繊維を用いたドアトリムを世界に先駆け量産車に搭載した。これまでに車両搭載してきた植物材料や当社が保有するナノレベルの相構造制御技術(モルフォロジーコントロール技術)を振り返るとともに、現在、開発を進めているCNF強化樹脂の開発状況についても概要を紹介する。
【略歴】2000年アラコ株式会社(現トヨタ紡織株式会社)入社。自動車へのマッサージシート搭載(世界初)、初代燃料電池車MIRAIのスタックマニフォールド樹脂化(世界初)など数々の部品アプリケーション開発を牽引、世界に先駆け車両搭載してきた。2018年クラウンに搭載した高耐衝撃プラスチック(PPとPA11のポリマーアロイ)では、ゼロから素材開発を進め、自動車技術会・技術開発賞(2019)、高分子学会賞(2020)、文部科学大臣表彰・科学技術賞(令和5年度)などを受賞。2021年よりプリンシパルエキスパートに就任。現在、京都大学 矢野特任教授とCNF強化樹脂を共同開発中。CNFの量産市販車への早期社会実装を目指し、日々研鑽中。
【参加要領】 講習会費:ナノ構造ポリマー研究協会会員 無料 非会員 5,000円
申込方法:ここよりお申し込みください
または、氏名、会社、部署、電話、メールアドレス、住所等とさらに請求書が必要な場合はその旨を記載し下記へメールでご連絡下さい。
特定非営利活動法人ナノ構造ポリマー研究協会
企画責任者 理事
青木憲治 kaoki@ransp.jp