中国EV「零跑汽車」、24年7~9月期は赤字縮小 ステランティスとの合弁で海外市場拡大へ
中国の新興電気自動車(EV)メーカー「零跑汽車(Leapmotor)」がこのほど、2024年7~9月期決算を発表した。売上高は前年同期比74.3%増、前の期比83.9%増の98憶6000万元(約2100億円)だった。純損失は6憶9000万元(約140億円)と前年同期の9憶9000万元(約210億円)から30.3%減、前の期の12億元(約250億円)から42.5%減少した販売構成の最適化、持続的なコスト管理、販売台数の増加によるスケールメリットが働き、売上総利益(粗利)率は8.1%と前年同期比、前期比ともに大幅に改善した。7~9月の販売(納車)台数は前年同期比94.4%増の8万6165台。10月の販売台数は前年同月比109.7%増の3万8100台と単月で過去最高を記録し、1~10月の累計販売台数は20万台を超えた。零跑汽車は、年間販売台数が目標の25万台を上回ると見込んでいる。零跑汽車は2024年5月14日、大株主である欧米自動車大手のステランティス(Stellantis)グループが主導する合弁会社「零跑国際(Leapmotor International)」の設立を発表した。零跑国際は、大中華圏(グレーターチャイナ)以外の世界のすべての市場で零跑汽車の輸出・販売事業を展開する独占権のほか、零跑汽車の製品を現地生産する独占権を付与されている。計画では、24年9月からフランス、イタリア、ドイツ、オランダ、スペイン、ポルトガル、ベルギー、ギリシャ、ルーマニアの9カ国で零跑汽車の製品を発売。24年内にはステランティスのサービス拠点「Stellantis&You」など200店舗で販売を開始し、26年までに販売網を500店舗に拡大する。
中国BYD、24年販売は400万台突破の見込み 3ヶ月で20万人の大量採用
中国自動車大手の比亜迪(BYD)は、2024年10月の新車販売台数が初めて50万台を超え、新エネルギー車(EV・PHV)の単月販売で世界記録を更新した。好調な業績を受け、生産能力を拡大し、人材採用も強化している。BYD執行副総裁の何志奇氏はこのほど、8月から10月の3カ月間で生産台数を20万台近く引き上げ、組み立てや部品製造に携わるスタッフも新たに20万人近く採用したと明らかにした。中国国内では、BYDは広東省深圳市(本社)、安徽省合肥市、陝西省西安市、湖南省長沙市、江蘇省常州市に主要工場を構えており、全工場がフル稼働しているという。BYDが10月30日に発表した2024年7〜9月期の売上高は、前年同期比24.04%増の2011億2500万元(約4兆2000億円)となり、米テスラを上回った。テスラの24年7〜9月期の売上高は251億8000万ドル(約3兆9000億円)だった。公式発表によると、24年1~10月の累計販売台数は325万台を超えている。今年もあと2カ月。年間販売台数が400万台を突破する可能性が高そうだ。
ピュアEV路線の中国「NIO」、海外向けにレンジエクステンダー車発売か
BEV(純電気自動車)専業を貫いてきた中国の新興EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」が、2026年にも同社初のハイブリッド車(HV)をサードブランドの「蛍火虫(Firefly)」から打ち出すという。ただし、中東や北アフリカ、欧州など海外市場限定で、中国市場では販売しないとみられる。中国メディアの第一財経(China Business Network)が報じた。新たなHVはレンジエクステンダー車(REEV)で、同社の筆頭株主であるアラブ首長国連邦(UAE)の政府系ファンド「CYVN ホールディングス」の提案で開発することになった。中東市場ではBEVの大量導入を受け止めるインフラが整備されていないため、REEVの投入で販売促進を狙うという。このニュースが報じられると、中国のSNSで大きな議論が巻き起こった。NIOの李斌(ウィリアム・リー)最高経営責任者(CEO)は「皆さん、勘ぐらないでください。当社のバッテリー交換ステーションはすでに中国全土に広がっています。BEV以外を打ち出す必要はありません」と投稿し、火消しを図った。秦力洪総裁はメディアの取材に応じ、「蛍火虫でもバッテリーの充電・交換が可能なBEV路線を守る。詳しい情報は、12月に開催されるイベント『NIO Day 2024』で発表する」と述べた。NIOは2024年10月、中東・北アフリカ地域事業を始動すると発表した。計画によると、まずは24年10〜12月期中にUAEでの納車が始まる予定となっている。同社は現在グローバル展開を加速しており、すでにノルウェー、ドイツ、オランダ、スウェーデン、デンマークの欧州5カ国の市場に参入している。
シャオミ初のEV「SU7」、10月販売は2万台で過去最高 生産増強に第2期工場の建設急ぐ
中国スマートフォン大手・小米集団(シャオミ)傘下の電気自動車(EV)メーカー「小米汽車(Xiaomi Auto)」は、2024年3月末に発売した「SU7」の10月の単月納車台数が初めて2万台を突破し、新規受注台数も2万3000台に達した。SU7の受注は現在も増え続けており、生産能力の増強が急務となっている。そんななか、小米汽車は10月末にSU7シリーズの最上位モデル「SU7 Ultra」を発表。81万4900元(約1700万円)と超高額な販売価格にもかかわらず、予約開始から10分で受注台数が3680台を超えた。米金融大手ゴールドマン・サックスは、SU7 Ultraの2025年の販売台数は4000台を超えると予測する。小米汽車の第1期工場の定格生産能力は年間15万台、月間では1万2500台。11月と12月は月産2万4000台を目指しているため、生産ラインの稼働率は200%近くに達する見込みだ。中国の「毎日経済新聞」によると、小米汽車は第2期工場の建設を急いでおり、すでに朝晩2交代制で工事を進めている。竣工は2025年6月中旬を予定しており、早ければ7月、遅くとも8月には生産を開始する計画だという。2つの工場が稼働すれば、同社の定格生産能力は合計30万台になる。
トヨタ、中国での増産を計画 30年までに少なくとも年間250万台生産へ
トヨタ自動車が中国での増産を計画していることが分かった。ロイター通信によると、同社は2030年までに中国での生産規模を少なくとも年間250万台に引き上げる方針を一部の部品メーカーに伝えた。また、開発業務をできる限り現地の中国人スタッフに任せ、自動車の電動化やスマート化が進む中国市場のニーズに合わせた商品を投入していく考えだという。トヨタの中国生産台数は、2022年に過去最高の184万台に達した(23年は175万台)。目標の250万台を達成すれば、過去最高の184万台から66万台の積み増しとなる。この2年間で多くの自動車メーカーが中国の急速な電動化とスマート化に追いつけなくなり、ホンダや日産自動車のように中国事業の規模を縮小するか、三菱自動車のように中国市場からの撤退を余儀なくされている。トヨタはこれらの日本企業とは対照的に、世界最大の自動車市場である中国市場向けに戦略転換し、中国事業の再拡大を図る構えだとみられる。トヨタの2024年1〜10月の中国新車販売台数は、前年同期比9.3%減の141万2900台だった。内訳は、第一汽車集団との合弁「一汽トヨタ」が5.5%減の61万3200台、広州汽車集団との合弁「広汽トヨタ」が15.2%減の63万3800台、高級車ブランド「レクサス」は3.4%増の14万5100台だった。
深圳市、「急速充電都市づくり」推進 急速充電ステーションが670カ所に
中国広東省深圳市は第1陣の国家低炭素試行都市として、クリーンで低炭素、安全かつ高効率なエネルギーシステムの構築に全力を挙げている。世界一流の急速充電都市づくりを推進しており、現時点で急速充電ステーション数は670カ所、充電器数は38万5千基に上る。同市は産業のグリーン(環境配慮型)化、低炭素化発展を推進することで、23年のクリーンエネルギー発電設備容量の割合を80.0%に引き上げた。中国初の市級グリーン電力証書・グリーン電力サービスセンターを設立したほか、単位域内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費量と二酸化炭素(CO2)排出量はそれぞれ全国平均の3分の1、5分の1にとどまり、国内外の大都市で先進的な水準となっている。新エネルギー、インテリジェントコネクテッドビークル(ICV)、安全・省エネ・環境保全などのグリーン・低炭素産業のクラスターの発展に重点を置いており、1~9月のグリーン・低炭素産業の増加値(付加価値額)は前年同期比14.6%増の1772億元(1元=約21円)に上った。国家級グリーン工場は108カ所となり、中国の電気自動車(EV)大手である比亜迪(BYD)など業界のリーディングカンパニーを数多く育成している。
中国新興EV10月販売:理想汽車は5万台で依然首位、零跑汽車は低価格モデルで2位に躍進
中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2024年10月の新車販売(納車)台数を発表した。理想汽車(Li Auto)は前月よりやや減少したものの、5万台超えで圧倒的トップを維持。続く上位勢各社は軒並み販売台数を伸ばした。
1位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の10月の販売台数は、前年同月比27.3%増の5万1443台だった。1〜10月の累計販売台数は39万3255台となった。理想はプラグインハイブリッド車(PHV)専業だったが、24年3月に初のピュアEV「MEGA」を発売して注目を集めた。25年には、フラッグシップ車のMEGAのほか、レンジエクステンダーEV5車種とピュアEV5車種を打ち出す計画だという。同社は10月15日、100万台目の車両としてSUV(多目的スポーツ車)「L9」をラインオフしたと発表した。2019年12月に1台目の「理想One」をラインオフしてから、わずか58カ月で100万台達成は、新興勢では初となる。
2位:零跑汽車
零跑汽車(Leap Motor)の10月の販売台数は、前年同月比109.7%増の3万8177台だった。1〜10月の累計販売台数は21万4998台となった。前面に打ち出す低価格戦略が販売増につながった。同社の海外進出計画の進展にも注目が集まる。10月に開かれたパリ・モーターショーでは、新型SUV(多目的スポーツ車)「B10」を発表。価格は10万〜15万元(約200〜300万円)で、25年にも世界に向けて発売される見通しとなっている。
3位:AITO
華為技術(ファーウェイ)と自動車中堅の賽力斯集団(SERES)が共同運営するEVブランド「問界(AITO)」の10月の販売台数は、前年同月比104.6%増の3万6011台だった。1〜10月の累計販売台数は35万2724台となった。AITOは25年に新車種「M8」の発売を予定しており、11月15日に開幕する広州モーターショーでお披露目するとみられる。
4位:ZEEKR
吉利汽車(Geely Automobile)傘下の高級EVブランド「極氪(ZEEKR)」の10月の販売台数は、前年同月比92.0%増の2万5049台だった。1〜10月の累計販売台数は16万7922台となった。10月には新型MPV(多目的車)「MIX」を発売。価格は27万9900元(約590万円)と安くはないが、通常の3倍近くに上る開発費をかけ、吉利の技術の粋を集めた新車種とあって、大きな反響を呼んでいる。ZEEKRは2021年に設立され、24年には高級EV市場でテスラに対抗するため「ZEEKR 007」を打ち出し、注目を集めている。25年には日本市場にも進出する計画だという。
5位:小鵬汽車
小鵬汽車(XPeng Motors)の10月の販売台数は、前年同月比20.0%増の2万3917台だった。1〜10月の累計販売台数は12万2478台となった。小鵬は11月7日、世界初の人工知能(AI)搭載車「P7+」を発売した。価格は20万9800元(約440万円)から。同社は、次の10年はAI搭載車が焦点となるはずだとしている。その幕開けを飾るP7+の売れ行きに注目したい。
その他:
蔚来汽車(NIO)の10月の販売台数は、前年同月比30.5%増の2万976台と6カ月連続の2万台超えを果たした。10月はトップ5入りを逃したが、1〜10月の累計販売台数は17万257台と新興勢では4位につけている。スマートフォンメーカーによる初のEV「SU7」で注目を集める小米汽車(Xiaomi Auto)の10月の販売台数は2万台を突破し、11月には年間目標の10万台を達成する見込みだという。さらに、10月29日にはSU7シリーズの最上位モデル「SU7 Ultra」を発表し、大きな反響を呼んだ。81万4900元(約1700万円)と超高額な販売価格にもかかわらず、予約開始から10分で予約注文が3680台を超えたという。発売は2025年3月を予定している。
ちなみに、業界最大手の比亜迪(BYD)の10月の販売台数は、前年同月比66.2%増の50万526台と前月に続き過去最高を更新した。1〜10月の累計販売台数は323万台を突破。すでに2023年の年間販売台数を超えている。
むすび
2024年も残り2カ月を切った。すでに自動車購入に関する各種補助金政策は終了しているが、上位勢各社はさらなる価格競争を繰り広げ、販売台数を伸ばすとみられる。一方で、余力のない企業は市場競争の波にのまれ、沈んでいくだろう。かつて上位勢の一角を占めた哪吒汽車(NETA)は、現時点で10月の販売台数を発表していない。
中国・吉利汽車、10月の販売台数は22万6000台超す NEVが5割
中国自動車メーカーの吉利汽車控股(Geely Automobile Holdings)が1日に発表した10月の新車販売台数は前年同月比約28%増の22万6686台だった。うち新エネルギー車(NEV)は約83%増の10万8722台、輸出は18%増の3万2544台となった。バッテリー式電気自動車(BEV)は2.3倍の7万8858台、プラグインハイブリッド(PHV)は17%増の2万9864台だった。ブランド別にみると、電気自動車(EV)ブランド「極氪(ZEEKR)」は92%増の2万5049台、スウェーデン自動車大手のボルボ・カーズとの合弁高級車ブランド「領克(Lynk&Co)」は26%増の3万1074台となった。1~10月の新車販売台数は前年同期比約32%増の171万6376台で、うち新エネ車は91%増の65万4576台、輸出は62%増の34万6582台だった。BEVは66%増の40万8192台、PHVは2.5倍の24万6384台。「極氪」は82%増の16万7922台、「領克」は38%増の22万6677台となった。
中国BYD、10月の新エネ車販売が初の50万台突破 PHV130%増の絶好調
中国自動車大手の比亜迪(BYD)は、2024年10月の新車販売台数が前年同月比66.53%増の50万2657台となり、初の50万台超えを果たした。新エネルギー車の単月販売台数の世界記録も更新した。乗用車の販売台数は50万526台で、うち電気自動車(EV)が14.56%増の18万9614台、プラグインハイブリッド車(PHV)が129.30%増の31万912台だった。同社の主力ブランドの「王朝(Dynasty)」シリーズと「海洋(Ocean)」シリーズが計48万3437台で、前年同月から66.9%増加した。高級車ブランドは「方程豹 (FangChengBao) 」が6026台、「騰勢(Denza)」が1万781台、「仰望(Yangwang)」が282台。海外販売台数は3万1192台だった。1〜10月の累計販売台数は約324万台となった。
BYDは現在、海外展開を加速している。欧州自動車大手ステランティスの英国事業の前責任者マリア・グラツィア・ダビーノ氏を迎え、欧州事業拡大を図る方針だとの情報もある。
同社は年内に、新型SUV(多目的スポーツ車)や新型MPV(多目的車)など計4車種の発売を予定しており、年末商戦で他を大きく引き離す計画だという。
中国EV「理想汽車」、24年7〜9月期も増収増益 売上高が過去最高を更新
中国の新興電気自動車(EV)メーカー「理想汽車(Li Auto)」が10月31日、2024年7〜9月期の決算を発表した。人気のレンジエクステンダーEV「L6」に加え、自動運転システム「AD Max」を搭載した30万元(約630万円)以上の車種が販売(納車)台数を伸ばし、販売台数と売上高がともに過去最高を記録した。売上高は前年同期比23.6%増の429億元(約9000億円)、純利益は28億元(約590億円)と8四半期連続の黒字を達成。販売台数は45.4%増の15万2831台となり、20万元(約420万円)以上の新エネルギー車市場でのシェアが4〜6月期の14.4%から17.3%に拡大した。理想汽車は10月15日、江蘇省常州の工場で100万台目の車両としてL9をラインオフした。2019年12月に1台目のプラグインハイブリッド車(PHEV)「理想One」をラインオフしてから、わずか58カ月で新興勢では初の100万台を達成した。
中国BYD、24年7~9月期も増収増益 売上高が初めてテスラを上回る
中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)が10月30日、2024年7~9月期の決算を発表した。売上高は前年同期比24.04%増の2011億2500万元(約4兆2000億円)、純利益は11.47%増の116億700万元(約2400億円)と増収増益を果たした。BYDの売上高が米テスラを上回ったのは初めて。テスラの7~9月期の売上高は251億8000万ドル(約3兆8000億円)だった。24年1~9月の売上高は前年同期比18.94%増の5022億5000万元(約10兆5000億円)、純利益は18.12%増の252億3800万元(約5300億円)となった。ピュアEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)を合わせた7~9月期の販売台数は前年同期比37.7%増の113万4900台、1~9月の累計販売台数は前年同期比32.1%増の274万8000台、これまでの海外販売台数は累計27万3600台に達した。BYDは9月25日、900万台目の車両がラインオフしたと発表した。
急成長の中国製タイヤ、生産拡大急ぐ 欧米の高まる需要へ対応
中国の自動車製造業が世界に広がり、タイヤ産業もその後を追うように勢いよく成長し、世界市場で徐々に競争力と影響力を増している。中国のタイヤ業界で群を抜く実力を持つ「玲瓏輪胎(Linglong Tire)」はこのほど、セルビア北部ズレニャニン市の生産拠点に6億4500万ドル(約960億円)を投じて生産能力を拡大する計画を発表した。2025年1月に着工、30年の年末までに完成の予定で、欧州市場におけるタイヤの需要拡大に応える。生産能力が拡大すれば、売上高と利益はそれぞれ平均で年間2億8180万ドル(約420億円)と1億2280万ドル(約180億円)に増加すると見込まれ、投資回収期間は5.79年と予測されている。また、9月中旬にヨーロッパ初の中国タイヤ工場であるLinglong International Europe d.o.o.(欧州玲瓏)も正式に量産を開始した。
中国タイヤメーカーの勃興
中国のタイヤ製造業は1958年に始まった。当時メーカーはわずか10社で、年間生産能力は100万本だった。数十年かけて成長を遂げ、今や中国は世界最大のタイヤ製造国、消費国となった。現在、約300社のメーカーを擁し、年間1億本以上を生産する。今年に入って電気自動車(EV)の需要が堅調で、米国と欧州向けのタイヤ輸出量が前年から20%増加すると、中国の乗用車用タイヤ工場の設備稼働率は2014年以降で最高の80%に達した。中国のタイヤ業界では今年、生産能力の拡大が相次いでいる。20社近いメーカーが生産拡大計画を発表、20件以上のプロジェクトに総額300億元(約6000億円)近くが投じられる。すべてのプロジェクトが稼働を始めれば、セミスチールラジアルタイヤ9300万本以上、オールスチールラジアルタイヤ800万本の生産能力が上乗せされることになる。自動車の保有台数が増加し、車両性能に対する消費者の要求が高まるにつれ、セミスチールラジアルタイヤの需要は拡大を続けている。海外市場でもタイヤ需要は増え続け、特に欧米でセミスチールラジアルタイヤの需要が目に見えて回復した。英国の調査会社ブランドファイナンスは6月、今年最も価値があり実力を備えたタイヤブランドをまとめたレポートを発表した。レポ―トによると、世界で最も急成長を遂げているブランドの半数近くが中国のメーカーだった。注目の中国ブランドである玲瓏輪胎や賽輪輪胎(Sailun Group)、森麒麟輪胎(Sentury Tire)は、海外市場の巨大な需要を背景にブランド価値をそれぞれ11%、10%、17%ずつ向上させた。
世界の新エネ車販売が170万台突破、中国市場が6割以上を占める:24年9月
英調査会社Rho Motionによると、2024年9月の電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を含む新エネルギー車の世界販売台数は、前年同期比30.5%増の170万台だった。中国市場での販売台数は47.9%増の110万台となり世界全体の6割以上を占めた。北米(米国とカナダ)市場は4.3%増の15万台、欧州市場は4.2%増の30万台だった。24年1~9月の新エネ車の世界販売台数は前年同期比22%増の1150万台となり、うち中国での販売台数が35%増の720万台に急増した。 北米は10%増の130万台だった。
中国自動車工業協会(CAAM)の最新予測によると、中国ではEVとPHEVの24年の販売台数がこれまでの予想を上回り、1200万台に達する見通しとなっている。
中国シャオミ、1700万円の高性能EV「SU7 Ultra」発表 わずか10分で予約3680台
中国の小米集団(シャオミ)は10月29日、電気自動車(EV)「SU7」シリーズの最上位モデル「SU7 Ultra」を発表し、午後10時30分に予約受付を開始した。予価は81万4900元(約1700万円)で、2025年3月の発売を予定している。雷軍CEOは同日中に、予約開始から10分で予約注文が3680台を超えたと自身のSNS(微博)で発表した。SU7 Ultraは3基のモーターを搭載しており、最高出力は1548馬力(ps)に上る。発進から1.98秒で時速100キロメートル(km)に達する加速性能を持ち、設計上の最高速度は時速350kmを誇る。ちなみに、SU7 Ultraのプロトタイプは今年10月にドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」の北コースでは、4ドア車世界最速となる公式認定ラップタイム6分46秒874を記録した。一方、ポルシェの「タイカン・ターボGT」のラップタイムは7分07秒55だった。シャオミはスマートフォン大手として知られるが、24年3月に同社初のEVとしてSU7を発売。予想を超える反響を呼んだ。雷CEOによると、24年10月の納車台数は目標の2万台を達成し、中国市場では米テスラの「モデル3」を抜き、中・大型EVセダンの月間販売台数で首位に立った。米金融大手ゴールドマン・サックスは、SU7 Ultraの2025年の販売台数は4000台を超えると予測している。
中国EV小鵬系企業、世界初の「空飛ぶクルマ」スマート工場が広州で着工
中国広東省広州市の広州開発区で27日、「空飛ぶクルマ」メーカー広東匯天航空航天科技(小鵬匯天)のeVTOL(電動垂直離着陸機)スマート製造拠点が着工した。同社は電気自動車(EV)メーカー小鵬汽車の傘下企業で、空飛ぶクルマの製造でアジア最大の規模を持つ。同製造拠点は現代化生産ラインでeVTOLを大規模に量産する世界初の工場となる。第1期の敷地面積は約18万平方メートル。建設プロジェクトは建設大手の中国建築集団傘下、中建四局が請け負う。陸上・空中ユニット分離式のeVTOL「陸地航母」の飛行ユニットを製造し、年間台数は1万台を見込む。陸地航母は小鵬匯天が2023年10月に開発を公表し、今年9月に飛行試験が公開された。小鵬匯天の創業者、趙徳力氏は起工式で、11月12日に中国国際航空宇宙博覧会で陸地航母のグローバル公開初飛行を行い、年末に予約を開始すると表明した。広州市は現在、空飛ぶクルマやドローンを使った人員・貨物輸送など「低空経済」がもたらす新たな機会を積極的に捉え、数兆元(1元=約21円)規模の新産業の育成を急いでいる。統計によると、広州開発区には現在、低空経済に関連する企業が50社余りあり、年間生産額は約130億元に上る。
《自動車関連情報》
トヨタと米ジョビーが空飛ぶタクシー「eVTOL」の機体を公開 5座席、時速320キロ
トヨタ自動車と米新興企業のジョビー・アビエーションは2日、開発を進める「空飛ぶタクシー」の機体を静岡県裾野市の研究施設で報道陣に公開した。滑走路のような大規模な施設を必要とせず、低価格で気軽に空を移動できる次世代モビリティー(乗り物)として期待されている。公開した機体は「eVTOL(イーブイトール)」と呼ばれ、ヘリコプターやドローン、小型飛行機の特徴を併せ持つ。全長6・4メートルで、座席数は5席。巡航速度は時速320キロ。静粛性に優れ、運用コストが低く抑えられるため、都市圏において通勤者や出張者、旅行者などの利用が見込まれるという。この日はデモ飛行も予定していたが、悪天候のため中止した。国内初の試験飛行は10月下旬に実施した。トヨタの豊田章男会長はあいさつで「(東京から裾野市まで)25分で飛んでこられる。世の中の生活が変わる」と期待を示した。トヨタは10月、ジョビーに5億ドル(約765億円)を追加出資すると発表し、累計投資額は9億ドルとなる。
川柳
◎AIで、ハマッ子涙、予測した?
◎パズル解き、壁が多くて、難解だ
◎恐怖です、いつ来るのかと、闇バイト
◎崇拝が、面会・握手、条件だ
宮本政義
Mail:masamiyamoto1@gmail.com
Mail:masa.miyamoto@163.com
Mobile: 070-6462-1880(携帯)
メール拝見しています。相変わらず中国の自動車情報は凄いですね。BYDの鼻息が聞こえてきそうです。日本は、本当にガラパゴス化しそうです。
中国のタイヤメーカーも躍進していますね。まあ300社もあれば激烈な競争でそれを勝ち抜いた企業が世界に進出した際はどうなるのか心配です。
以前中国のタイヤショーに招待されたことがありますが、強烈な熱気で混雑していて、展示館に収まらない出店企業は外で青空展示までしていました。
西 敏夫