24年中国自動車市場:新車販売の4割がNEVに、輸出は128万台突破
中国の新エネルギー車(NEV)市場は、政策支援や価格引き下げ、インフラ改善などの要因が重なって引き続き拡大し、2024年は生産・販売台数がともに1000万台を突破した。中国汽車工業協会(CAAM)によると、2024年のNEV生産台数は前年比34.4%増の1288万8000台、販売台数は35.5%増の1286万6000台だった。新車販売に占めるNEVの割合は40.9%と前年比で9.3ポイント増加した。電気自動車(EV)の販売台数がNEV全体の60%と10.4ポイント減少する一方で、プラグインハイブリッド車(PHEV)は40%と10.4ポイント上昇した。今後はPHEVやレンジエクステンダーEVを打ち出す自動車メーカーが増えると予想される。2024年の自動車輸出台数は前年比19.3%増の585万9000台と高い成長率を維持し、うちNEVが6.7%増の128万4000台となった。EVは10.4%減の98万7000台、PHEVが190%増の29万7000台だった。メーカー別では、NEV最大手のBYDの輸出台数が最も伸びており、前年同期比71.8%増の43万3000台となった。
中国新興EV24年販売ランキング:理想汽車が50万台超で首位独走、ファーウェイ支援のAITOが猛追撃
中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2024年12月と通年の新車販売(納車)台数を発表した。24年12月は各社とも販売台数を伸ばすなか、理想汽車(Li Auto)は販売台数が6万台に迫り、新興勢トップの実力を見せつけた。低価格戦略で勢いに乗る零跑汽車(Leap Motor)は4万台余りを売り上げて2位。小鵬汽車(XPeng Motors)と蔚来汽車(NIO)も3万台以上と販売台数を大きく伸ばした。華為技術(ファーウェイ)が打ち出すEVブランド「問界(AITO)」も3万台を超えたが伸びが足りず、小鵬とNIOの後塵を拝した。年間販売台数では、理想が50万台超で圧倒的首位。AITOが42万台弱で新興勢2番手につけ、零跑汽車が29万台超で追う形となった。4位以下は、NIO、吉利汽車(Geely Automobile)傘下の高級EVブランド「極氪(ZEEKR)」、小鵬、小米汽車(Xiaomi Auto)の順だった。
1位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の24年の年間販売台数は50万508台。24年12月の販売台数は前年同月比16%増の5万8513台と過去最高を更新した。安定した人気の「Lシリーズ」に加え、3月に発売したミニバン「MEGA」も着実に販売台数を伸ばし、新興勢トップの地位を盤石にした。李想CEOは今後のビジョンについて、「理想汽車は単なる自動車メーカーにとどまることはない。物理世界とデジタル世界をつなぎ、世界をリードする人工知能(AI)企業を目指す」と語った。
2位:AITO
問界(AITO)の24年の年間販売台数は41万9755台。24年12月の販売台数は、前年同月比23.4%増の3万189台だった。SUV(多目的スポーツ車)の「M5」「M7」「M9」の3車種のうち、最高級車種のM9は24年12月時点の累計販売台数が19万台を突破し、50万元(約1100万円)以上の高級EVでトップとなった。25年にはM9よりも価格を抑えた新車種「M8」の発売が予定されており、販売増の起爆剤になることが予想される。
3位:零跑汽車
零跑汽車(Leap Motor)の24年の年間販売台数は29万3724台。24年12月の販売台数は、前年同月比128%増の4万2517台だった。低価格戦略が奏功し、単月販売台数が7カ月連続で過去最高を更新するなど、24年は飛躍の年となった。25年は欧州自動車大手ステランティスとの協業で海外市場での知名度を高め、さらなる業績拡大を狙う。
4〜6位
極氪(ZEEKR)の24年の年間販売台数は22万2004台。24年12月の販売台数は、前年同月比102%増の2万7011台だった。
蔚来汽車(NIO)の24年の年間販売台数は22万1970台。24年12月の販売台数は、前年同月比73%増の3万1138台だった。
小鵬汽車(XPeng Motors)の24年の年間販売台数は19万73台。24年12月の販売台数は、前年同月比82%増の3万6695台だった。
7位:小米汽車
スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が手がける「小米汽車(Xiaomi Auto)」は、24年12月も販売台数が2万台を突破。納車が始まった4月からの累計販売台数が13万5000台を超えた。小米汽車は爆発的な人気を呼んだ「SU7」に続き、25年半ばにはSUV(多目的スポーツ車)「YU7」の発売を予定しており、25年も中国EV業界の台風の目になりそうだ。
25年は中国のEV市場をめぐる競争がさらに激化し、力のない新興メーカーは淘汰されていくだろう。上位勢各社は新型車の発表や技術力を競うだけでなく、国内市場から海外市場へと事業を拡大して生き残りを図るとみられる。
中国CATL、年内に欧州4カ所目の車載電池工場建設か 現地自動車メーカーと合弁で
車載電池世界大手・寧徳時代(CATL)の潘健副会長は世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議、1月20~24日)に出席し、2025年末までに欧州で新たな自動車メーカーと提携し、合弁で電池工場を建設する計画だと明らかにした。提携先は欧州自動車大手ステランティスとは別で、CATLにとって欧州4カ所目の電池工場となる。1カ所目のドイツ工場は年産能力14ギガワット(GWh)ですでに稼働しており、2カ所目のハンガリー工場は年産能力100GWhで25年下半期の操業開始が予定されている。同社は24年12月、ステランティスと共同で最大41億ユーロ(約6600億円)を投じ、欧州3カ所目となるスペイン工場を建設し、リン酸鉄リチウム(LFP)電池を生産すると発表した。同工場は年産能力50GWhで、26年末に稼働する見込みだという。韓国の調査会社SNEリサーチによると、24年1~11月のCATLの車載電池搭載量は前年同期比で28.6%増加し、世界シェア36.8%で圧倒的1位を維持した。電気自動車(EV)大手で車載電池も手がける比亜迪(BYD)も、世界シェアを前年同期の15.9%から17.1%に伸ばして2位につけた。同社も現地のニーズに合わせたEVを通じ、欧州で勢力を拡大している。
世界自動車メーカー時価総額ランキングに大変動、中国BYD・シャオミがトップ10入り
中国の経済メディア「財聯社」が発表した世界自動車メーカー時価総額ランキング(2024年12月31日の終値基準)では、新興メーカー対伝統的メーカー、海外メーカー対中国メーカーの争いが鮮明になった。トップ10には中国メーカーが2社ランクインした。
米テスラが1位、トヨタ自動車は2位を維持した。3位は自動車市場に参入したばかりの小米集団(シャオミ)で時価総額は1120億ドル(約17兆7000億円)。4位は比亜迪(BYD)で1078億4900万ドル(約17兆円)だった。
上位50社には、上海汽車(SAIC Motor)、賽力斯(SERES)、長城汽車(Great Wall Motors )、吉利汽車(Geely Automobile)、長安汽車(Changan Automobile)、広州汽車(Guangzhou Automobile)などの伝統的メーカーと、理想汽車(Li Auto)、小鵬汽車(XPeng Motors)、蔚来汽車(NIO)、零跑汽車(Leapmotor)などの新興メーカーを合わせ、計21社の中国メーカーがランクインした。
中国の新車販売が過去最高を更新 24年、EVやPHVが4割に
中国の2024年の新車販売台数は前年比4.5%増の3143万6千台となり、2年連続で過去最高を更新した。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が全体の4割に達した。輸出台数も2年連続の世界一を維持する見込みだが、足元では輸出の鈍化傾向がみられる。中国自動車工業協会が13日に発表した。24年の新車販売のうち、EVやPHVといった電池を活用した「新エネルギー車(NEV)」の割合は40.9%の1286万6千台となり、初めて1千万台を突破。EVの伸びが減速する一方、PHVの販売が前年より83.3%増えた。PHVは、EVのように外部電源からの充電によるモーター走行に加え、ガソリンによるエンジン走行もできるため、長距離運転での電池切れを懸念する消費者にとってEVに代わる選択肢になっている。
BYDの新型SUV「シーライオン7」、ついに日本上陸!PHEVの投入も間近か
2025年1月10〜12日に千葉県・幕張メッセで開催された「東京オートサロン2025」で、中国電気自動車(EV)大手のBYD(比亜迪)は、日本市場向け乗用車第4弾となる「シーライオン7(SEALION 7)」を発表した。BYDは、PHEV(プラグインハイブリッド車)と純電気自動車(BEV)の二足のわらじでラインナップを拡充しており、販売台数も年々増加している。2024年には全世界で427万2145台の新エネルギー車(PHEV+BEV)を販売し、世界トップの地位を確立した。乗用車のラインナップは現在、中国の歴代王朝から名付けた「王朝シリーズ」と海洋生物・艦種から名付けた「海洋シリーズ」の2つを基軸としている。また、低〜中価格帯のBYDブランド以外にも、高級EVブランドの「デンツァ(騰勢)」「方程豹」「仰望」といった多様な車型展開を行なっている。日本市場では2015年より電気バスと電動フォークリフトを販売していたが、2022年7月には乗用車市場への参入を発表し衝撃を与えた。日本導入第1弾のスモールSUV「アット3(ATTO 3)」、第2弾のコンパクトカー「ドルフィン(DOLPHIN)」、第3弾のミドルセダン「シール(SEAL)」は、それぞれ2023年1月、同年9月、2024年6月に発売された。2024年はアットスリーのマイナーチェンジや、シールの投入が日本での販売を促進させ、2024年1-12月期の販売台数は前年比53.7%増の2223台を記録した。また、全国のディーラー店舗数も37カ所にまで拡大させており、「2025年末までにディーラー100か所」という目標の実現に着々と歩みを進めている。
中国BYD、4隻目の自動車専用運搬船を就航 輸出を加速
中国電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD)はこのほど、4隻目の自社専用自動車運搬船「比亜迪深圳(BYD SHENZHEN)」を就航した。現在のところ自動車専用運搬船としては世界最大のRORO船(自動車を自走して積み込む船)で、全長219m、船幅37.7m、最大9200台を積み込める。世界的なRORO船不足が続くなか、BYDは自社のRORO船で中国の新エネルギー車(NEV)の国際化を加速させると説明した。BYD1隻目のRORO船「比亜迪探検者1号(BYD EXPLORER NO.1)」 は2024年1月に就航し、すでにスペインやドイツなど欧州への複数回の航海を終え、ブラジルにも寄港している。同年12月初旬には2隻目の「比亜迪常州(BYD CHANGZHOU)」が、25年1月には3隻目となる最大積載5000台の「比亜迪合肥(BYD HEFEI)」が就航している。BYDは販売台数を急速に伸ばしており、2024年の販売台数は前年比で41.3%増の427万台となった。うち、乗用車の海外販売台数は72%増の41万7204万台だった。BYDは25年の販売台数が550万台に達すると見込んでいる。BYDは海外事業の拡大を積極的に進めている。2025年1月には韓国乗用車市場に本格参入し、2月中に第1弾モデルとなる「ATTO 3」の納車を開始する予定となっている。また、4月には日本市場向け乗用車の第4弾として「SEALION 7」を投入する計画だという。
中国の新エネ車、ASEAN市場で普及加速 コスパの良さが奏功
東南アジア諸国連合(ASEAN)の新エネルギー車市場で中国メーカーが伸びている。インドネシアに進出した最初の中国自動車メーカー、上汽通用五菱汽車は現在、同国新エネ車市場の50%以上のシェアを占める。24年末には現地法人が16万台目の完成車となるコンパクトカー「雲朶(クラウドEV)」をラインオフした。東南アジアでは昨年、中国の多くの新エネ車メーカーが躍進を遂げた。上汽通用五菱汽車のほか、比亜迪(BYD)、奇瑞汽車、長城汽車などが競争力のある価格設定と最新の機能、強力なアフターサービスを武器に市場を開拓した。統計によると、24年上半期(1~6月)のインドネシアの電気自動車(EV)販売台数は約1万2000台で、最も売れたのは中国ブランドだった。タイ自動車協会(TAI)の統計では、23年のタイのEV登録台数は約7万6000台で自動車登録台数の12%を占め、上位4位を中国ブランドが独占、上位10位のうち八つが中国ブランドだった。カンボジアではBYDが最も人気のあるEVブランドの一つとなっている。
BYD、韓国乗用車市場に本格進出。「ATTO 3」や「シーライオン7」今年中に発売
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は16日、韓国・仁川でブランド発表会を開き、同国での乗用車事業発展計画を正式に打ち出した。中型SUV(スポーツタイプ多目的車)「ATTO 3(アットスリー)」、セダンタイプの「シール」、クロスオーバーSUV「シーライオン7」を今年中に発売し、アットスリーは初のモデルとして予約販売を開始する。BYDアジア太平洋地域自動車販売事業部の劉学亮総経理は発表会で、同社は韓国市場を10年近く深耕しており、フォークリフト、バス、1トン級トラックなどのEV製品を提供していると紹介。乗用車ブランドを打ち出すことで、低炭素のモビリティーとグリーン(環境配慮型)経済を共同で推進し、世界の持続可能な発展を後押ししたいと述べた。BYDは同日から、韓国で正規ディーラー6社と提携し、ソウルや済州島など主要な都市・地域にショールーム15カ所とサービスセンター11カ所を開設する計画だ。
中国・広州汽車、ファーウェイと協業で新会社
中国の国有自動車大手、広州汽車集団は10日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との協業のために新会社を設立すると発表した。新会社は新たに立ち上げる電気自動車(EV)など新エネルギー車ブランドの設計や開発、マーケティングを手がける。
新会社の資本金は15億元(約320億円)で、広州汽車は出資する方針だ。10日の開示では全額出資か一部出資かは明らかにしていない。
BYD、テスラ「モデルY」の対抗車 25年春に日本で発売
中国の電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD)は10日、多目的スポーツ車のEV「シーライオン7」を日本で初公開し、2025年春に発売すると発表した。価格は未定。米テスラの「モデルY」の対抗車種で、国内で4車種目となる。BYDは23年の日本参入から急速に存在感を強めており、車種数を増やし需要拡大を見込む。同日、幕張メッセ(千葉市)で開幕したカスタムカーの展示会「東京オートサロン2025」で披露した。23年の世界の車名別新車販売で最も売れたテスラ・モデルYに対抗した世界戦略車で、欧州の販売価格はモデルYを下回る。BYDは23年に日本市場に参入し、24年6月にはセダンEV「シール」を発売するなどこれまで3車種を発売してきた。毎年1車種以上を日本市場に投入すると表明している。24年の国内EV販売台数をみると、BYDは前年比54%増の2223台と、トヨタ自動車(30%減の2038台)を初めて上回った。日本法人の東福寺厚樹社長は「近未来的なデザインでBYDのクオリティーを感じてほしい」と意気込んだ。
世界の新エネ車販売、25年は2100万台突破の見込み 中国市場の拡大続く
中国の調査会社・高工産業研究院(GGII)によると、2024年の世界の新エネルギー車(NEV)販売台数は中国市場の急拡大を受け、1750万台を突破した。25年には2100万台を超え、世界の自動車の電動化普及率は23.2%に達する見込みだという。2024年の中国のNEV販売台数(推計)は1285万台、電動化普及率は40.9%に達した。25年も自動車の買い替え促進、税制上の優遇、自動車購入補助金などの政策が引き続き実施される見通しで、NEV需要の拡大が続くとみられる。25年の経済方針を決定する中央経済工作会議では、NEVの地方普及および買い替え促進策の継続・推進が求められた。これを受け、GGIIは25年の中国のNEV販売台数は1610万台、電動化普及率は50%を突破するとの予測を示している。最新のデータによると、比亜迪(BYD)は2024年のNEV販売台数が427万2000台となり、再びNEVの世界販売でトップの座を獲得した。
BYD、韓国のEV乗用車市場に参入 25年に3車種発売
中国メディアの快科技によると、中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は2025年に韓国の乗用車市場に参入する方針を発表した。中型セダンを含む少なくとも3車種を投入するとみられ、同社は現在、韓国における販売・サービス網の構築や従業員の募集、マーケティング計画の立案、車両認証の取得を進めているという。韓国メディアの亜州日報は14日、BYDが来年投入する車種について、小型スポーツ用多目的車(SUV)の「ATTO3(アットスリー)」、中型セダンの「SEAL(シール)」、小型ハッチバックの「DOLPHIN(ドルフィン)」の三つになるとみられると報じた。最初に投入されるのはアットスリーの可能性が高く、価格は、中国では2000万~3000万ウォン(約220万~330万円)相当、日本では3900万ウォン(約430万円)相当であることから、韓国も日本と同水準になるとみられると報じた。
中国BYD、日本市場にPHEV投入。EVとPHEVの「両輪戦略」で攻勢
中国の電気自動車(EV)大手・比亜迪(BYD)は1月24日、2025年中にプラグインハイブリッド車(PHEV)を日本市場に導入することを正式に発表した。日本ではこれまで純電気自動車(BEV)のみを提供してきたが、これからEVとPHEVの二本柱で新車種を提供する方針を示した。BYDジャパンの劉学亮社長は、EV技術の進化が進む一方で、日本市場ではEVの普及がまだ限定的である現状を踏まえ、PHEVの導入を決めたと説明した。同社は、型式認証の進捗状況に応じて、年内に日本でのPHEV発売を目指す計画だ。今後はEVとPHEVの「両輪戦略」を推進し、中期的にBEVとPHEVによる7~8モデル体制を構築するとしている。BYDはこれまで日本市場に向けて、2023年1月に電動SUV「ATTO 3(アットスリー)」、同年9月にコンパクトカー「DOLPHIN(ドルフィン)」、そして24年6月にはセダン「SEAL(シール)」を投入している。さらに、4車種目としてクロスオーバーe-SUV「SEALION 7(シーライオン7)」を今年4月より全国の正規ディーラーで販売開始する。ただ、シーライオン7の詳細について、今回の発表会では明らかにしていない。BYDは2024年の世界新車販売台数が前年比41%増の427万2145台(うち乗用車約425万台)に達し、新エネルギー車(NEV)販売で世界トップの地位を維持している。日本市場では、24年のEV乗用車販売台数は前年比58%増の2223台と好調で、着実に市場を拡大しつつある。
《自動車関連情報》
2024年の国内EV乗用車販売、4年ぶりの減少 BYD急伸で初のトヨタ超え
日本自動車販売協会連合会(JADA)と全国軽自動車協会連合会が1月9日、2024年の国内電気自動車(EV)販売台数を発表した。EV乗用車の販売台数は前年比32.5%減の5万9736台と4年ぶりのマイナスとなった。国内販売の約50%を占める日産自動車は首位を維持したが、44%減の3万749台に落ち込んだ。主力の「リーフ」が48%減と振るわなかった。トヨタは初の量産EV「bZ4X」が10%増の1012台にとどまり、24年のEV販売は30%減の2083台となった。日本自動車輸入組合(JAIA)が1月9日に発表した2024年の新車輸入台数は、海外メーカーのEVが前年比5.7%増の2万4198台と6年連続で過去最高を更新した。メーカー別では、中国のBYDが53.7%増の2223台となり、初めてトヨタを上回った。BYDは2023年初めに日本市場に参入し、販売価格440万円のSUV(多目的スポーツ車)「ATTO 3」を発売してトヨタの「RAV4」やホンダ「CR-V」など国産の人気車種に対抗した。その後、23年9月にはコンパクトカー「DOLPHIN」を、24年6月にはセダン「SEAL」を投入している。同社は1月10日、日本市場投入4車種目となるSUV「SEALION 7」を25年春に発売すると発表した。日本の自動車市場は長く国産ブランドが主導してきた。日本のEV市場で台頭したことは、BYDの高い競争力を示している。同社は中国市場で成功を収めたのに続き、欧州や東南アジア、中南米などでも勢力を急拡大している。2024年のEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)の世界販売台数は427万2145台となり、新エネ車販売で世界一に上り詰めた。
トヨタ5年連続世界首位へ 24年新車販売、VWは2%減
自動車大手のドイツ・フォルクスワーゲン(VW)グループは14日、2024年の世界新車販売が23年比2%減の902万7400台だったと発表した。全体の3割超を占める中国で1割減ったのが響いた。トヨタ自動車(レクサス含む)の24年1〜11月世界販売925万台を下回り、トヨタが5年連続で世界首位となる見込みとなった。電気自動車(EV)販売は3%減の74万4800台だった。米国で31%減の4万9400台、欧州では5%減の44万7900台と落ち込みが大きかったが、中国は20万7400台と8%増えた。結果、新車販売におけるEV比率は8.3%で、23年と変わらなかった。
EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など新エネルギー車が伸びる中国市場ではガソリン・ディーゼル車の販売が低迷。新車全体では10%減の292万8100台にとどまった。主力のVW乗用車ブランドは1%減の479万6900台だった。累計で200万台超を販売した多目的スポーツ車(SUV)「T-Roc」の次世代モデルを25年に投入する予定で巻き返しを図る。乗用車ブランドを巡っては独国内工場の生産コストの高止まりがグループの業績を悪化させた。労使交渉の末、25年末に独東部ドレスデンのEV組み立て工場を稼働停止するほか、30年までに従業員3万5000人の削減が決まった。グループの高級車ブランド・アウディは12%減の167万1200台で、初めて米テスラ(同179万台)の販売台数を下回った。特にEVが8%減の16万4500台と苦戦しており、ベルギー・ブリュッセルのEV工場閉鎖を検討している。
EV、先行市場の欧州で失速 補助金停止で初の通年販売減
欧州の2024年の電気自動車(EV)販売台数が通年で初めてマイナスに転じた。ドイツなどの補助金停止でEVとエンジン車の価格差が広がったあおりを受けた。充電インフラ整備が遅れ、EVの総所有コストが高まったことで、一般層への普及も鈍った。世界のEV販売の2割を占める先行市場の失速は他地域にも波及しそうだ。
インド新車販売、24年3%増の522万台 世界3位を維持
インド自動車工業会(SIAM)が14日まとめた2024年の新車販売台数(出荷ベース、乗用車と商用車の合計)は23年比3%増の522万6784台だった。中国と米国に次ぐ世界3位の規模を維持した。多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調だった。6日発表された日本の24年の新車販売台数は7%減の442万1494台で、インドは3年連続で日本を上回った。
ベトナム新車販売、24年2割増 国産EVが初の首位
ベトナム自動車工業会(VAMA)などの発表によると、2024年のベトナムの新車販売台数は23年比2割増の約49万台だった。ブランド別では国産電気自動車(EV)メーカーのビンファストが初めて首位に立った。VAMA加盟社が10日発表した24年の販売台数は13%増の34万台だった。VAMAに加盟していないビンファストと現代自動車(韓国)がそれぞれ公表した販売台数を合算すると49万台。
ホンダ、25年の米国販売5%増の150万台 HV需要見込む
ホンダは15日、2025年の米国販売台数が前年比5%増の約150万台となる見通しを発表した。電気自動車(EV)普及が遅れる中で堅調なハイブリッド車(HV)やガソリン車がけん引する。3年連続のプラスを見込み、新型コロナウイルス禍前の19年(約160万台)以来の水準を目指す。
米国のEV販売、24年は7%増 伸び率は1ケタ台に鈍化
米調査会社コックス・オートモーティブが14日までにまとめた2024年の米国の電気自動車(EV)販売台数は前年比7%増の130万1411台だった。3年連続で増加したが伸び率は5割だった前年から鈍化した。価格の高さや充電網不足が背景で、EVに後ろ向きなトランプ次期政権下で一段と鈍化する可能性もある。
インド「EV元年」、スズキ参入で号砲 100万台市場へ攻防
インドで電気自動車(EV)の市場が急速に立ち上がる。国際自動車ショーで乗用車最大手のマルチ・スズキが初の量産EVを発表し、先行するタタ自動車も車種拡充を打ち出した。2030年に100万台規模に膨らむ見込みのEV需要を巡り攻防が激しさを増す。
日産、米工場で小型EV生産を断念 英工場に集約か
日産自動車が米国南部ミシシッピ州の工場で計画していた小型電気自動車(EV)の生産計画を断念したことが分かった。英国のサンダーランド工場に生産を集約する可能性がある。米工場で進める他のEV生産計画は継続する。経営再建に伴う効率化に加え、トランプ新政権の政策変更への対応も背景にありそうだ。
GMの10~12月、最終赤字4500億円 中国事業で損失計上
米ゼネラル・モーターズ(GM)が28日発表した2024年10〜12月期決算は最終損益が29億ドル(約4500億円)の赤字(前年同期は21億ドルの黒字)だった。販売が低迷していた中国の合弁事業の再編や傘下の自動運転事業子会社の事業撤退で特別損失を計上したことが響いた。
川柳
◎怒りです、真っ赤に燃えた、富士山は
◎人権の、長編ドラマ、見るような
◎そうなんだ、ドンと女帝は、独裁に
◎ある人は、今の日本も、黄金期
メールありがとうございます。相変わらず中国のNEVは凄いですね。新車の40%がNEVとは大した物です。
特にプラグインハイブリッド車(PHEV)が伸びているようです。話によると中国でPHEVを買うと自宅に充電装置をおまけに付けてくれるとか。
これなら買っても良いですね。当方は、年間走行距離が短いので純ガソリン車ですが、買い物や病院通い用の小型PHEVが手頃な価格で手に入れば
助かると思っています。中国には、そう言う目的の「老年代歩車」と言う電気自動車があって結構清華大アパートの駐車場に電動自転車や電動バイクと共に
並んでいました。バッテリーは夜間自宅で充電可能のようです。これは、車にナンバープレートがないのでその気になれば直ぐ買えるようです。最高時速は
40キロぐらいで2人乗りでした。電動3輪車もあったようです。
BYDの快進撃は目覚ましいですね。どこまで伸びるか見物です。アメリカはトランプ大統領のために「補助金打ち切り」らしいし、EUもBYDにかなわないので
高率関税を課すようですがどうなのでしょうね。アメリカ、EU以外でもBYDはドンドン進出するでしょうから気がついたら中国製NEVに世界が席巻されていた
という日が近いような気がします。
生成AIにしても中国発のデイープシークが世界にショックを与えているようです。清華大で講義して、彼らの優秀性には舌を巻きました。
これでは、アメリカがいくら中国の半導体産業いじめをしても無駄でしょう。
やはり、日本は如何に中国と旨くやって行くか真面目に考えた方が良いと思っています。
西 敏夫