中嶋 健

TPE技術研究会会長
東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 教授

当研究会は、ナノ構造ポリマー研究協会の下部組織として2006年5月29日に発足しました。2014年3月まで会長をお務めになった西敏夫氏(東京大学および東京工業大学名誉教授)から引き継ぎ、現在は私、中嶋健(東京工業大学教授)が会長を務めさせていただいております。2022年3月末現在の法人会員は7企業で、若干の運営委員と各企業からの代表者で幹事会を構成しています。
熱可塑性エラストマー(TPE)は、架橋ゴムとプラスチックの中間の物性を示し、その成形加工性、ソフトタッチ性、軽量性から高分子材料として特異な地位を築きつつあります。さらに、可逆大変形が可能というゴム弾性に加え、透明性、生体適合性、制振性、粘・接着性などの機能化、複合化、ポリマーアロイへの応用による高性能化も可能であり、主用途である自動車内装材をはじめとして幅広い用途が期待されています。また、そのリサイクル性に大いなる優位性があり、21世紀型高分子材料として有望です。上記の利点に着目し、日本国内だけで30社以上の企業がおのおのの視点で研究開発及び工業化を進めており、多くの製品は高い成長力を維持しています。一方、基礎研究の観点からは、TPEはソフトセグメントとハードセグメントよりなるミクロ相分離をベースとしており、高分子ナノテクノロジーの興味ある対象としてアカデミアでの研究も盛んです。しかし、材料としてみると、耐熱性、耐クリープ性、耐薬品性、耐疲労性、耐候性など解決すべき問題も多く、解決に向けた活動が求められています。本研究会は、TPEの諸問題(科学技術、加工、事業、市場など)について法人会員を主要メンバーとし、産学官の連携により総合的に扱い、より強力に開拓して行こうとするものです。具体的には年5回の非公開研究会と年1回の公開講演会を催しております。
TPE技術研究会では随時法人会員の参加を募集しています。ご連絡をお待ちしております。 

Author: xs498889