中国自動車情報202401

中国新車販売、3000万台時代へ

中国自動車工業協会は11日、中国の2023年の新車販売台数が3000万台前後に到達し、 2024年には3100万台前後になるとの見通しを示した。2023年の新車販売の内訳は、乗用車が前年比10%増の2600万台、商用車が21%増の400万台になると予測。「新エネルギー車(NEV)」は4割近く増えて940万台とみている。2024年は乗用車が3%増の2680万台、商用車が5%増の420万台になり、NEVは20%増の1150万台と予測した。中国政府直属のシンクタンク、国務院発展研究センター市場経済研究所は、中国の新車販売台数が2030年まで年平均2~3%のペースで成長するとみている。中国自動車工業協会、2023年の輸出が過去最高の490万~500万台の規模になるとの見方を示した。上海汽車のカク氏は、2024年に11~16%増えて520万~580万台になると予測した。中国の2023年上半期(1~6月)の自動車輸出は前年同期比75.7%増の214万台。日本の202万3000台を超え、世界首位になった。長期的には国内市場の成長が鈍化することで、中国の自動車各社が海外展開を強めるとみている。

中国EV事情、「ガソリン車のナンバー取得に200万円」

EV化は猪突猛進状態、さまざまな弊害が起きていた

中国人ジャーナリストの周来友氏は、中国で、電気自動車を充電するのに6時間もか かることや、資産価値の低下、さらにEVメーカーの乱立などの問題点を挙げた。一方、早稲田大学非常勤講師でタレントの段文凝氏は、「ガソリン車のナンバーは買えない。抽選で当たらないともらえないので、何年間も待っている人もいる」と指摘した上で、「地方ではガソリン車のナンバーを200万円で買うこともある」と中国国内事情を解説した。近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は、2000年以降の日本は、伸びている産業を伸ばすのではなくて、潰れそうな産業には補助金を突っ込んで、生き返らせようとしていると指摘した。

中国・広汽集団、「全個体電池」を2026年に搭載へ 
ベンチャー投資やスピンオフなど幅広く布石

中国の国有自動車大手の広州汽車集団(広汽集団)は11月17日、EV(電気自動車)の性能を大幅に高める全個体電池を2026年から車両に搭載すると発表した。同社の総経理(社長に相当)を務める馮興亜氏が、広州モーターショーでのプレゼンテーションで計画を明らかにした。全固体電池は、リチウムイオン電池の電解質を液体から固体に置き換えたものだ。従来型の電池よりエネルギー密度を大幅に高められると同時に、(液体を使わないため)液漏れや発火、破裂などの心配がなく、EVの安全性を改善できる。広汽集団の説明によれば、同社が開発中の全固体電池セルは(十分な)安全性と信頼性のマージンを確保したうえで、1キログラム当たり400Wh(ワット時)のエネルギー密度を達成したという。液体電解質を使う車載電池のエネルギー密度は、現在主流の製品で同200~300Whであり、その1.3~2倍に相当する性能だ。

■出資先が2025年の量産を計画
「全固体電池の市販車への搭載は、3つのステップを経て進められる。第1ステップは、技術開発と(電池の)生産体制の立ち上げ。第2ステップは、自動車メーカーとの協業を通じたチューニングと小ロットでの試験搭載。第3ステップは、量産技術の確立と市販車への搭載だ」そう解説するのは、全固体電池の研究開発を手がけるスタートアップ企業「清陶能源(チンタオ・エナジー)」の総経理を務める李峥氏だ。広汽集団は戦略投資家の一社として、清陶能源に出資している。  広汽集団が発表した「車両への搭載」が、上述の3ステップのどれに当たるかについて、同社は明確にしていない。なお、清陶能源は全固体電池の量産を2025年に開始する計画だ。全固体電池は次世代の車載電池の本命であり、電池メーカーだけでなく自動車メーカーも研究開発や量産計画を競っている。例えば、国有自動車最大手の上海汽車集団は前出の清陶能源と協業し、2025年上半期から全固体電池を搭載する複数車種のEVを投入、同年末までに合計10万台を販売する計画を打ち出した。ただし世界に目を転じると、全固体電池の技術開発では日本メーカーが最も先行しているとの見方が主流だ。 「日本のトヨタ自動車は(全固体電池に関する)膨大なノウハウを蓄積している。全固体電池の量産は、トヨタが最初に実現する可能性が高いだろう」。電池技術の専門家である上海交通大学教授の薄首行氏は、財新記者の取材に対してそう述べた。

■超高速充電技術も開発
広汽集団は全個体電池のほかにも、EV関連のサプライチェーンに幅広い布石を打っている。  例えば、研究開発部門の広汽研究院で超高速充電技術を開発していたチームをスピンオフさせ、2020年9月に「巨湾技研(グレーター・ベイ・テクノロジー)」を設立。同社は超高速充電に対応した新型電池の量産を2023年10月に開始した。また、広汽集団の子会社で独自ブランドのEVやPHV(プラグインハイブリッド車)を生産・販売する広汽埃安(アイオン)は、車載電池および蓄電システム用電池の新会社「因湃電池科技」を2022年10月に設立した。因湃電池科技は広東省広州市内に大規模な工場を建設中で、2024年3月までに量産を開始。さらに、2025年末までに年間生産能力をEV60万台分に相当する36GWh(ギガワット時)に拡大する計画だ。
中国・広州汽車集団(広汽集団)、新型電池「P58」を発表、長寿命が特長

傘下の電池メーカー、因湃電池科技が新型電池「P58微晶超能電池」を広東省広州市の工場でラインオフしたと発表。新型電池はリン酸鉄リチウムイオン電池。電池パック全体のエネルギー密度(1kg当たり)は146.5Whで、業界トップレベルの電池(140Wh)をやや上回る。新型電池の搭載車の航続距離は700kmを超える。10分の充電で250km以上の連続走行が可能という。リン酸鉄はこれまで、三元系リチウムイオン電池と比較して航続距離が短いことが欠点とされてきた。充電サイクルは最大4,000回。現在の業界トップレベルの電池(最大3,000回)よりも3割ほど多い。走行距離から見た電池寿命は150万kmで、業界トップレベルの電池(120万キロ)と比べ25%伸びた。新型電池の体積利用率(電池パック全体の体積に占める電池セルの体積の割合)は90%以上で、寧徳時代新能源科技(CATL)が昨年6月に発表した新型電池「麒麟電池」の体積利用率(72%)を大きく上回った。

中国・上汽集団、現地子会社をインド企業との合弁に

「インド戦略」を転換した事情

インドの工場でMGブランドの5車種を現地生産している中国・上海汽車集団(上汽集団) は11月30日、同社のインド子会社のMGモーター・インディア(MGインディア)に戦略投 資家の出資を受け入れ、合弁会社化すると発表した。インドの大手コングロマリット(複合企業)のJSWグループがMGインディアの第3者割当増資を引き受け、増資後の発行済株式の35%を取得する。この取引に関して、上汽集団とJSWはロンドンで戦略提携契約に署名した。ただし、計画の実施にはインドの関係当局の承認が必要になる。上汽集団は2017年、米ゼネラル・モーターズ(GM)がインドのグジャラート州に保有していた工場を32億7500万元(約681億円)で買収し、MGインディアを設立した。工場の改修工事を経て2019年から現地生産を開始し、現在はEV2車種を含む5車種を生産・販売している。MGインディアの2023年1月から10月までの販売台数は5万2000台と、前年同期比3割増加。インド市場の自動車メーカー別の販売台数ランキングで第8位、EVに限れば第2位につけている。だが、インド政府が中国系企業への締め付けを強化するなか、MGインディアは安定した経営の確保という課題を抱えていた。2023年6月には、現地メディアが「上汽集団はMGインディアの経営権を失うかもしれない」と報道。それに対して、MGインディアの周江CFOは、「中国企業が単独で対インド投資を拡大するのは難しくなるだろう。上汽集団としては、インド現地の投資家と手を組みたい」とコメントしていた経緯がある。約14億の人口を要するインドは、自動車市場の潜在成長力が極めて大きい。2022年の市場規模は472万5000台に達し、国別で日本を抜いて世界第3位の自動車市場に浮上した。現在のインド市場では、スズキの現地子会社であるマルチ・スズキが2022年に157万台を販売し、インドの乗用車市場で4割超のシェアを握っている。世界の自動車市場でEVシフトが進むなか、中国メーカーがインド市場で勢力を拡大できるか、注目される。

EV世界販売、BYDが初めてテスラ上回る 23年10〜12月
電気自動車(EV)の世界販売を巡って、中国の自動車大手である比亜迪(BYD)が米大手テスラを四半期で初めて上回り、首位となった。テスラが2日発表した2023年10〜12月期の販売台数は約48万台で、すでにBYDが発表した52万台を下回った。BYDは主力の中国を中心に、23年に積極的に新型車を投入しテスラを勢いで上回った。BYDの23年10〜12月期のEV販売台数は、前年同期と比べ60%増と高い伸びだった。原動力は新型車ラッシュだ。23年4月に発売した小型EV「海鴎(シーガル)」は7万元(約140万円)台からの価格設定で若者を中心とした需要を取り込み、年間販売は28万台を超えた。高価格帯モデルでも、傘下ブランド「騰勢(DENZA)」や「仰望」から新型車を発表した。一方、テスラの23年10〜12月期の販売台数は前年同期と比べると20%増だった。中国でBYDなど現地勢との競争が激しくなり、米国でも値下げによる拡販効果が薄れるなか、世界販売の伸び率は低下しており、7〜9月期(27%増)と比べても7ポイント落ちた。11月には4年ぶりの新型EV「サイバートラック」の出荷を始めたが、量産に入るのはまだ先だ。テスラは10〜12月期販売実績でサイバートラックの車種別販売台数は示さず、主力の「モデルY」「モデル3」以外の車種で、販売台数が2万台超だったと説明するのにとどまった。テスラは23年通年の販売台数は180万台超となり、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が年間目標として掲げてきた180万台を上回った。BYDの23年のEV販売台数は157万台だった。
BYD世界販売6割増の302万台 23年、中国市場好調
中国自動車大手、比亜迪(BYD)は1日、2023年の世界販売台数が前年比62%増の302万台だったと発表した。低価格の電気自動車(EV)やセダンタイプなどを投入し、目標としていた300万台を達成した。BYDはEVとプラグインハイブリッド車(PHV)のみを販売する。主力の乗用車では、EVが73%増の157万台、PHVが52%増の143万台だった。全体ではスズキの22年の販売台数(296万台)に並ぶ規模まで拡大した。主力の中国市場はEVなどの「新エネルギー車」の需要が拡大している。BYDは23年に低価格の小型EV「海鴎(シーガル)」やセダン「海豹(シール)」のPHVなどを投入した。タイなど東南アジアや欧州への輸出も増やし、22年7月実績から公表を始めた海外販売は24万台超、海外販売比率は8%となった。日本でも多目的スポーツ車(SUV)のEV「ATTO3(アット3)」や小型EV「海豚(ドルフィン)」を販売している。中国汽車工業協会は24年の中国新車販売(輸出含む)を23年比3%増の約3100万台との予測を公表している。中国市場は伸び悩みが予想され、輸出が15%増の約550万台となる見込み。BYDの成長維持には海外販売をどれだけ伸ばせるかが重要となりそうだ。
中国、自動車輸出で初の首位。日本抜く

日本自動車工業会(自工会)が発表した1~11月の輸出は399万台。中国自動車工業協会 によると、中国の1~11月の輸出は441万2000台に達した。前年同期に比べ約6割増えており、年間でも日本を上回るのは確実な情勢だ。中国メーカーは政府の後押しを受けて技術力を高め、低価格で高品質な電気自動車(EV)の輸出を伸ばした。ロシアのウクライナ侵攻を契機に日米欧メーカーのロシア撤退が相次ぎ、ロシア向けのガソリン車も急増した。中国の輸出は2020年まで100万台前後で推移した後、21年に201万5000台、22年は311万1000台と急ピッチで増加した。

              《自動車関連情報》

自動運転、ベンツEQSが北米初のレベル3を実現!!

高速道路でアイズフリーに自動駐車まで!

2021年3月に自動運転レベル3を実現したホンダ レジェンドが登場してから2年あまりが経過したが、北米初のレベル3を実現したのは、最右翼のテスラ…ではなく、ドイツのメルセデスベンツだ!!すでにメルセデスは2023年1月にネバダ州、6月にはカリフォルニア州で、レベル3の自動運転システムを搭載する認可を得ていた。これを受けて同社は10月、年内に自動運転システム「ドライブ・パイロット」のアクティベーションを始めると発表。まずはフラッグシップEVであるEQS。追って来春からはSクラスも利用対象に加えるという。ドライブ・パイロットはネバダ州とカリフォルニア州の高速道路において、時速40マイル以下の渋滞時に「アイズフリー」を実現する。サービスをアクティベートする費 用は2500ドルで、このほかにも月々の利用料がかかるようだ。

タイ、EV年産能力約36万台

来年から生産振興

タイのピムパッタラー工業相は、タイ政府から投資認可を受けた電気自動車(EV)事業 者の年産能力が35万9000台に上ると明らかにした。認可を受けたEV完成車メーカーの投資額は395億7900万バーツ(約1,611億円)、同部品メーカーは353億300万バーツ。タイ政府は2030年までに国内生産する自動車の30%をEVにする政策「30@30」を掲げ、中国メーカーなどの誘致が急速に進んでいる。今年1~11月のEV登録台数は前年同期比7.9倍の6万7056台だった。工業相は、EV産業の裾野拡大へ向け、EVへの改造も推進する。ごみ収集車や給水車など、大型車両の改造モデルを作成し、EVをより低価格で手の届きやすい車両とする狙い。

2024年念頭から大きな災害・事故が起きています。現地の状況を見聞きするだけでも、
心が痛みます。
亡くなられた方々に対して心から哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々に心から
お見舞い申し上げます。
一日も早く政府・県の支援策が現地に届くよう切に願う毎日です。

川柳  今回はお休みさせていただきます。

宮本政義
Mail:masamiyamoto1@gmail.com
Mail:masa.miyamoto@163.com
Mobile: 070-6462-1880(携帯)

Author: xs498889