2024年

マイクロ・ナノ加工(MNM)研究会の活動紹介

プラスチックに代表される高分子成形品は最先端デバイスを支える基幹部材となっている。これら部材は、より高度化、より高精度化が求められており、その加工技術である精密成形加工技術は、近年、ますます必要不可欠な技術となっている。本研究会では、プラスチックのマイクロ・ナノ加工、最新成形加工について、広く勉強する研究会である。本研究会で取り扱う内容は幅広く、これらプラスチック成形品の高付加価値を実現するための、精密成形加工の基礎となる様々な成形加工について広く勉強するとともに、今後重要となる成形加工に関連する材料技術、情報科学、システム技術等と対象を広げていく予定である。これまで国内および国際会議においても、精密成形に関連する数多くの研究発表は、マイクロ射出成形、ナノインプリント、ロールツーロール、インクジェット分野等と拡大し、多くの研究論文や学会発表がなされてきた。これらの技術は、印刷技術、マイクロもしくはナノスケールの構造を有する金型(モールド)の利用、材料の自己組織化、等を金型として利用する技術など、分野横断の融合技術が必要となっている。さらに、精密製品の機能化には、撥水、撥油、光制御、高摩擦、低摩擦、防曇、防汚、帯電防止、滅菌、等とそれらを実現する表面機能性はますます注目されている。さらに最近、情報科学やAIとの融合、生産の自動化、そのシステム構築化など、精密なモノづくりの更なる高度化が求められている。本研究会では、これらプラスチック成形品の高付加価値を実現するため、参加する皆様と、今後のモノづくりについて熱く議論を行う場として期待している。

略歴
1990年に山形大学大学院を修了し、同年、年沖電気工業(株)に入社。半導体成膜や電極材料とそのプロセス技術研究に従事し、1993年に国立鶴岡工業高等専門学校の助手として赴任。同年より、高分子結晶化挙動と成形加工技術に関する研究に従事し、1996年、山形大学にて博士(工学)を取得。1996年より、東京工業大学助手として、成形加工技術、特に溶融紡糸、繊維延伸、フィルム成形、複合材料加工、マイクロ・ナノ成形などの研究と教育に従事。2007年に山形大学准教授、2010年同大学教授。2015年より、グリーンマテリアル成形加工研究センター長、工学部副学部長、共同機器分析センター長、ものづくりセンター長を歴任し、2016年より大学院有機材料システム研究科長、2018年より理事特別補佐(研究担当)として現在に至る。(2024年4月現在)

Author: xs498889