2023年、中国の自動車生産・販売 初めて3000万台を突破
輸出で世界最多の見込み
中国自動車工業協会は11日、2023年には中国での自動車生産台数と販売台数がいずれも初めて3000万台を突破したと発表しました。うち輸出台数は491万台で、自動車輸出で世界最多になる見込みとのことです。2023年の中国の自動車生産台数は前年比11.6%増の3016万1000台、販売台数は同12%増の3009万4000台でした。うち輸出台数は前年比58%増の491万台でした。中国は2022年の時点で世界第2位の自動車輸出国になっています。電気自動車(EV)などの新エネルギー車はすでに、中国の自動車工業の重要な成長点です。輸出におけるけん引効果は鮮明で、新エネルギー自動車の輸出は前年比77.6%増の120万3000台でした。また、2023年第4四半期には中国企業のBYDが、世界最大の電気自動車メーカーになったとのことです。
中国・吉利、グループ販売20%増の279万台 23年
中国民営自動車大手の浙江吉利控股集団は12日、2023年のグループ販売台数が前年比20%増の279万台だったと発表した。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの販売が好調で、過去最高を更新した。香港取引所に上場する子会社の吉利汽車控股は18%増の168万台だった。EVやPHVの販売が伸びた。このうち若者向けブランド「リンク・アンド・コー」は22%増の22万台、EVブランド「ZEEKR(ジーカー)」は65%増の11万台となった。ZEEKRは欧州で納車を始めるなど海外展開にも乗り出している。吉利傘下の高級車「ボルボ・カー」は欧州や米国での販売が好調で、15%増の70万台となった。吉利とボルボが立ち上げた高級EVブランド「ポールスター」の販売台数は5万台だった。49.9%を出資するマレーシアの「プロトン」は9%増の15万台、独メルセデス・ベンツグループと合弁で展開する「スマート」の販売台数は7万台近くとなった。スマートは中国や欧州、中東、アジアなど22カ国・地域で展開している。24年は上場子会社の吉利汽車が190万台を目標に掲げた。ZEEKRは20万台以上とし、欧州などでの納入を加速する。ポールスターは25年までに年間販売台数を15万台程度を目指す。
ホンダ、2023年中国販売が10.1%減の123万4181台。3年連続前年割れ。EV課題
ホンダが4日発表した中国での2023年の新車販売台数は前年比10.1%減の123万4181台 と、3年連続の前年割れだった。ホンダの中国での販売台数は足元で回復傾向にあるが、年前半の苦戦が響いた。中国市場では電気自動車(EV)が急速に普及しており、ガソリン車が主体の日系メーカーはEV対応が課題となっている。中国EV最大手の比亜迪(BYD)は23年の新車販売台数が61.8%増の302万4417台と大幅なプラスとなり、そのうちEVの乗用車は72.8%増の157万4822台だった。
米テスラ、EV販売世界1位の座から陥落。中国BYDに抜かれる
米テスラが2日発表した2023年10-12月(第4四半期)のEV販売台数は前年同期比19.5%増の48万4507台。中国・比亜迪(BYD)は同60.0%増の52万6409台で、EV販売世界首位の座を奪われた。テスラの2023年販売台数は180万台という目標を上回ったものの、イーロン・マスクCEOが約1年前に描いていた上振れシナリオには遠く及ばなかった。テスラはBYDに比べてかなり高額なモデルを販売しており、出荷台数の大部分をわずか2車種が占めているため、売上高と利益はBYDよりも多い。10-12月の販売台数では、SUV「モデルY」とセダン「モデル3」両モデルが全体の95%を占めた。
中国・比亜迪(BYD)、2023年はEVの新車販売でテスラを追い抜けず。
中国BYDは、2023年のEVの新車販売台数が前年比72.8%増の157万4822台だったと発表した。EV世界首位である米テスラの販売台数は180万8581台で、通年では超えられなかったものの、2023年第4四半期(10~12月)のBEV販売台数では初のテスラ超えを実現した。2023年第4四半期に販売されたBYDのBEVは52万6409台、対するテスラは48万4507台とBYDが4万台超上回った。BEV販売においてBYDがトップに立ったことは大きなニュースとして世界中を駆け巡っている。2023年はプラグインハイブリッド車(PHV)などを含めた全体で62.3%増の302万4417台だった。そのうち商用車も9割増だった。
中国、2023年の自動車輸出世界一に。日本を抜く
中国は自動車の生産・販売台数で14年連続で世界首位となってきたが、2023年の輸出台数が初めて日本を抜いて世界首位となる見通しだ。日本自動車工業会(JAMA)が23年12月28日に発表した1~11月の日本の輸出台数は399万台だった。一方、中国汽車工業協会(CAAM)によると、同期間の中国の輸出台数は前年同期比58.4%増の441万2000台に達した。中国の自動車輸出で、とくに目覚ましい業績を上げているのが電気自動車(EV)を中心とする新エネルギー自動車(NEV)だ。とはいえ、EV最大手の比亜迪(BYD)でも販売台数全体に占める輸出台数の割合はまだ小さい。同社は現在、40以上の国・地域に輸出先を広げており、今後の輸出台数の増加が期待される。
中国の新車販売事情、ナンバープレートの発給制限で新エネルギー車に誘導
2023年の1年間に中国で販売された新車は3000万台前後。そのうち新エネルギー車 (BEV/PHEV/FCV)は940万台前後(2022年688万台)になることが公表された。中国市場における2023年11月の販売台数を見ると、1位はテスラモデルYだが、続く2位はBYDシーガルであり、10位以内にBYD車が5車種入っている。シーガルは2023年4月の上海モーターショーでお披露目されたコンパクトBEVで7万3800~8万9800元(約147~179万円)という安価な価格設定もあり発売以来、大人気となっている。また日産シルフィが前年同期比76.4%増で、唯一の日本ブランド車として3位にランクインしている。中国では2023年、各社の値下げ合戦によってBEVの販売台数は大幅にアップしているが、実はもうひとつEV増加の背景には大都市圏内でのナンバープレートの発給事情も関わっている。新エネルギー車購入の際にはほぼ制限はないが、ガソリン車(ハイブリッド車含む)では長ければ1年以上待つことも珍しくない。ただし、日本と違って中国では一度発給されたナンバープレートはクルマを買い替えても使用できるため、過去にクルマを所有しており、ナンバープレートの発給に悩まされないオーナーはシルフィのような安くて燃費の良いガソリン車を買いたくなるのだろう。
フォルクスワーゲン、2030年までに中国市場向けに30車種の新型EVを投入
14万~17万元(1万8000~2万2000ユーロ)の低価格帯目指す中国市場向けモデルの開発は、ヴォルフスブルクから中国に移されることになった。これによりフォルクスワーゲンは、準備から開発までの時間を30%短縮することになる。最新の販売台数は希望を与えてくれる。10月の「ID.3」の中国での販売台数は、昨年の同時期に比べ65%増加した。合計で約2万4000台の電気自動車が顧客に販売され、これは2022年10月のほぼ2倍にあたる。しかし、中国市場全体も成長したため、フォルクスワーゲンへのプレッシャーは依然として高い。
「ポスト合弁時代」で岐路に立つ日本車メーカーが中国で生き残るには?
日系メーカーの中国販売台数は2023年に400万台を割り、ピークであった2020年比で 約2割減少する見通しだ。日系各社は派遣従業員の削減による生産調整、ディーラーの在庫圧力の緩和、輸出拠点化など、市場環境に適した運営や構造改革に取り組んでいる。トヨタは、2023年7月に広汽トヨタ(広州汽車との合弁)で約1000人の従業員を削減し、ホンダでも11月に広汽ホンダの従業員約900人を削減した。また、工場の稼働率を維持するため、中国製BEVを海外に輸出する動きも出てきている。東風ホンダは、2023年4月に新型BEV「e:NS1」、6月に「CR-V e:HEV」を発表し、ヨーロッパへも輸出。11月には、タイやアメリカに中国製電動車部品も輸出し始めた。東風日産は11月に新事業戦略を発表し、2025年から中国製電動車を輸出開始し、年間10万台を目指す。また、BYDを筆頭とする中国勢プラグインハイブリッド(PHEV)の価格破壊が、日本車の競争力を一気に脅かしている。家電、パソコン、スマホなどがたどった道を思い起こすと、自動車市場においても外資の中国事業の縮小や撤退が予測される。今後はテック企業の参入、自動運転技術の進化などにより、「クルマのスマホ化」が車両の付加価値となる一方、中国で予想外の変化が起きる可能性がある。
中国・広州汽車集団グループ、「EV向け電池」の大型工場が稼働
因湃電池科技の工場が竣工。将来は全固体電池の生産も目指す「弾匣電池(弾倉型バッテリー)」と呼ぶ独自開発のリン酸鉄系リチウムイオン電池を生産する。将来はナトリウムイオン電池や全固体電池などの生産も計画している。弾匣電池は、車載電池パックの内部構造を工夫することで、質量1kg当たり195Wh、体積1L当たり450Whを達成し、EVを700km以上走らせることができるという。同社は2022年10月、広汽集団の子会社・広汽埃安(広汽アイオン)を中心に、グループ企業の共同出資で設立された。アルゼンチンにあるリチウム塩湖の権益を持つ中国のリチウム最大手「ガンフォン・リチウム」と戦略提携を結び、主要原材料の直接調達を実現している。
中国・BYD(比亜迪)、インドネシア投入の3車種発表。EV市場首位目指す
「ドルフィン」、「アット3」、「シール」をお披露目。昨年のインドネシアでは、上汽通用五菱汽車(ウーリン)の「Air EV」と、韓国・現代自動車の「アイオニック5」がEV販売台数で2強となった。インドネシアは、国内のEV普及を促進するとともに、電池の重要素材となるニッケル資源を豊富に抱える利点を生かし、電池生産やEVサプライチェーン(供給網)分野への外資呼び込みを積極化している。ハルタルト調整相(経済)は、BYDが15万台の生産能力を備えた工場建設に13億ドルの投資を計画していると明らかにした。
《自動車関連情報》
2023年の国内新車販売は前年比13.8%増の477万9086台
半導体不足改善で5年ぶりの前年超え。12月はダイハツ不正の影響も登録車は、6年ぶりの前年超えとなる303万4167台(同18.4%増)。登録車の300万台超えは4年ぶり。軽自動車は174万4919台(同6.5%増)で5年ぶりに前年を超えた。販売台数が順調に回復した2023年だったが、12月単月の総販売台数(登録車+軽自動車)は、前年同月比5.4%増の36万2839台にとどまった。ダイハツが12月下旬から完成車の出荷を停止し、販売を実質的に止めたことが響いた。特に軽の販売台数は、5カ月ぶりに前年を割り込んだ。
2023年の米国自動車販売、約1550万台。GMがトヨタ上回り首位維持
「高金利が今年の需要に悪影響を及ぼす」と一部のアナリストが警告GMの販売が前年比14.1%増の260万台前後と、トヨタのおよそ225万台(6.6%増)を上回って首位の座を維持した。フォードは前年比7.1%増の199万台。自動車販売全体におけるEV比率は8%前後で、今年は10%前後まで高まる見通し。GMの2023年のEV販売は7万5883台となった。トヨタのEV販売は1万4715台だった。
修理が難しい「EV」「PHV」、この問題に対する部品メーカーの新たな回答
バッテリー、インバーター、コントロールユニット、電動アクスルといった重要部品の修理が、ディーラー以外の独立系整備工場では困難である。メカニックは2級自動車整備士の資格があれば電動車の修理を請け負えるが、構造上重要な部品を扱うには自動車電気装置整備士の資格があったほうがいい。さらに、電動車のバッテリーを扱うためには、低圧電気取り扱い講習を修了していなければならない。ここまでがメカニック個人の資格であり、新たな負担である。もちろん、これに加えて、整備工場は専用のテスター類や工具を用意するコスト負担も強いられる。そのため、独立系整備工場は電動車への対応を進めなかった。 そんななか、2023年11月末に大きな動きがあった。それは、世界有数の自動車部品メー カーであるドイツのZFが、アフターマーケット向けに電動アクスルのリペアキットの提供を開始するという発表だった。ZFはかつてトランスミッションで名をはせた、近年は電動アクスルユニットを多くの自動車メーカーに供給している名門だ。リペアキットの特徴は、電動アクスルのなかの特に消耗が激しいとされる箇所の補修に特化し、交換に必要なパーツ、特殊工具、留め金具類など必要なものが全て同梱されている。取り扱うには、指定の高電圧取り扱いトレーニングを修了していることが必須であり、バッテリーから電源を切り離すためには、DGUV-209-093(ドイツ電気自動車高電圧システム取扱者法規/ドイツの工業規格であるTUFが定める法規)のレベル2Sを受講する必要もある。ちなみに、これらの法規に関する講習は、日本のTUF支部が行っている。これまで、電動車の修理や点検は、事実上メーカーによって囲い込まれていた。しかし、ZFのリペアキットが供給されたことで、対応できる独立系整備工場が増加することが明らかになった。また、作業従事者に必要な条件が広く知られるようになったことは、ユーザー側の選択肢の幅を広げるという意味でも非常に大きい。
2024年どうなる日本のEV化、「全固体電池」実用化でゲームチェンジなるか
日本のBEV販売台数は2023年1~11月で75,501台となっており、既に2022年の一年間の販売台数(58,813台)を上回っているが、新車販売台数に占める割合は約1.9%。中国は2023年1月~11月までの販売台数のうち、EVが占める割合は20%を超えている。さらに2023年1~6月(上半期)におけるヨーロッパ(EU・EFTA・英国)の新車販売におけるEVのシェアも約14.2%に上っており、日本のEV普及率の低さは際立っている。経済産業省によると充電器は全国で約3万基が既に整備されていて、2030年までに30万口を設置する目標を掲げており、充電インフラの整備は民間や政府・自治体によって進められている。 日本のEV化を阻む3つの壁として「価格が高い」「充電インフラの不安」「航続距離が短い」があった。この「壁の高さ」を下げるべく国内自動車メーカーが注力しているのが、安全性、航続距離が向上し、充電時間も短縮されるとも言われ、次世代の電池として期待される「全固体電池」だ。トヨタは2023年10月に出光興産と組んで2027年の全固体電池の実用化を目指すことを発表。ホンダも2020年代後半の実用化に向け、2024年春に実証実験用のラインへ430億円の投資を行い、開発を進める。さらに日産は2028年度での実用化に向け、横浜工場で実用化に向けた製造ラインの稼働を2024年度中に開始することを発表している。3社とも2024年中に全固体電池が実用化する予定ではないが、開発競争は激化しており、他業種の企業との協業を含めた新たな動きが出てくることで、2024年を振り返った時に「全固体電池 元年」となるか、注目される。
2023年の登録車新車販売、ヤリスがトップを獲得
1位 トヨタ・ヤリス:19万4346台
2位 トヨタ・カローラ:15万4870台
3位 トヨタ・シエンタ:13万2332台
4位 日産・ノート:10万2508台
5位 トヨタ・ルーミー:10万800台
6位 トヨタ・プリウス:9万9149台
7位 トヨタ・ノア:9万5181台
8位 トヨタ・ヴォクシー:8万9080台
9位 トヨタ・アクア:8万268台
10位 ホンダ・フリード:7万7562台
川柳
◎改めて、自然の驚異、海・山に
◎今かいな、視察・ねぎらい、何変わる
◎のこのこと、毒・薬にも、ならないね
◎頼むから、活動休止、あの議員
◎またかいな、茶番劇かい、刷新は
宮本政義
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